守破離::1Q59

幸福とはココロの状態にある

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

虚無僧願望

虚無僧の姿に身をやつして諸国行脚プラン。それには尺八を習い、場をもたせる必要がある。横笛でもいいが、浅めの編笠でないと吹けない。路傍に立ったまま托鉢するには芸がいるのだ。地味な僧侶衣装。剃髪してわらじを履いて笛を鳴らす。どれほどの賽銭、い…

糸杉とゴッホ

一階建てと二階建ての棟が混在した市営住宅。メンテナンスされてないので、住人がいるのは1割程度。住居の一角に数本の糸杉がそびえて人の気配。時間が止まった場所に引き寄せられる。夕暮れなので街灯の明かりが自動点灯。最初は緑色でしだいに白色に変っ…

二等船室の曼荼羅

蛍の光、窓の雪。歌詞はなくてインスタルメンタルが聞こえる。デッキで夜景を望みながら出港。なんとも切ないがすぐ大浴場に向かう。ロッカーに荷物をしまい素っ裸。しめしめ。一番乗り。大きな湯船がふたつ。ゆっくり体を沈める。天国だわい。仙台港発苫小…

温泉アイデンティティー

開いた窓から土壁がのぞいて西日が射してる。となりは蔵なんだろうかねえ。あれってカラス瓜。干からびてる。紅葉した土蔵のツタをながめながら入浴。贅沢。湯船が柔らかい木製で、もうちょい暗めであればいうことない。それにお湯の温度調節。熱い。温泉は…

金庫破り

ちょうどグミの実が熟れて食べごろ。あの酸味はもう二度ともどらない。民家もろとも海の藻屑に化してあとかたない。残されたコンクリート基礎が往時をしのぶ。なんてこった。こんちくしょう。宮城県沖地震の当日、予知というか予兆を感知。早朝のカラスの鳴…

捨てる神あれば拾う神

反応が遅い。しだいに遅くなる。しっかりしろ。目をあけろ。大丈夫か。いつものことだから心配してないけれど。このままの状態で見守るか。どうしよう。あれまあ。口から泡を吐き出してる。ゆすってみる。うんともすんともいわない。下から液体が垂れている…

審判の日

雨降り具合によっては社内にこもるときもあるにはある。朝から晩まで同じ建物で仕事するのに堪えられない。せめて昼間だけは外の空気を吸いたい。他の方々はそんなに気にしないようだ。雪の日に外に出ようとしたら、となりの同僚から「こんな日ぐらい、中で…

入社試験

机の上の履歴書用紙をめくってください。水性ペンか油性ペンのどちらかで記入お願いします。誕生日だけ日付をいれて、あとは分かる範囲で結構です。水性ペンだと筆圧がすくなくてスラスラ書けますよ〜。「あの。スマホ使ってもいいですか」申し訳ない。それ…

天使が家にあらわれた

寝ぼけ眼をこすって確認。頭上に金色の輪っか。背中には白い羽。なんじゃ。どうしてオレの部屋にいるんだ。幻覚を見るなんて、とうとう気がふれてしまった。人形っぽい。丈は50センチ程度。「エンジェルだよ」「そこの人」「聞こえてるかい」んん。しゃべ…

ナスになった女

ナス柄のワンピースが似合う。英語では茄子をエッグプラントというらしい。細長いのや丸いのや大きのや小さいのと色々ある。どちらかといえば薄味で歯ごたえを楽しむ脇役。栄養価はほとんどゼロに近い。いてもいなくとも困らないが愛嬌のせいで起用。野菜界…

ちゃぶ台返し

たまたま仙台駅で元同級生から声を掛けられてアルバイト代が入ったから地下でご飯食べようと誘われて階段を降りた。ボクは専門学校に通っており、かれは宮城県庁で事務の手伝いをしながら公務員をめざしていた。かれの父親は仙台市営バスの運転手。その関係…