500ページの夢の束
こんにゃにわあ。
あれれ。舌まわらない。ちゃんとしよう。
施設ぐらしの自閉症娘を演じるのはダコタ・ファニング。
まだ子役のときにトム・クルーズと「宇宙戦争」で共演しましたよねえ。かなりまえなので彼女の演技まではおぼえてません。けど名前と顔だけはしっかり記憶。大人になっても顔はおなじでしたよ。
で、内容はといえば・・・。
毎日決まりきった日常のなかで、唯一の楽しみといえばSFドラマのスタートレックの世界にひたること。初期の宇宙大作戦が好きで好きでたまらない。
宇宙艦隊のエンタープライズ号を率いるカーク船長や乗組員で耳のとんがった超理性的なバルカン星人のミスタースポックなどの登場人物に通じている。もちろん強敵クリンゴンの言語だって話せる。
あくまでスタートレックはマイナー系。
ファンあるいはファンまでいかなくともドラマに興味があったひとを対象にした映画だとおもいます。けれども、中身はエンタメでなくて自閉症という病いをもった女性が慣れない土地を目指してひとり旅するロードムービーです。
細かい部分はネタバレなのでスルー。まだ公開中だからね。
あ。そうそう。
映画「スタートレック」第一作目。
ロバート・ワイズ監督の超大作。これのラスト部分。ビジャー(ヴォイジャー)という巨大な機械生命体が地球に接近して地球を飲み込もうとするんです。ですが、ビジャーにはミッションがあってプログラムを完成させたい。それは通信によるものでなく、直接、合体しなければならない。
ここがミソ。
スタートレック史に燦然と輝くシーンを思い出せれば、さらに本作は楽しめますぞぞ~~。きっとダコタちゃんだって、あのファイナルに感情移入してウルウルしたにちがいない。
いわば”聖地巡礼”にゃあ。
なにを隠そうミントはもらい泣きしちゃったもん。
あん。原作者に感謝です。
自閉症をあつかった映画だと。
サヴァン症候群という計算や視覚記憶など、なにかひとつの能力がずばぬけて優れた人をテーマにしたふたつの映画があった。
「レインマン」トム・クルーズ&ダスティン・ホフマンの異色組み合わによるロードムービー。それに「マーキュリー・ライジング」というブルース・ウィリス主演の国家防衛アクションもの。
どちらもよかった。心にしみる二品でした。
それからね。自閉症に特有症状なのかどうかわかりかねるけれど。
目を相手に合わせられない。いつも目が泳いでるというか視線が定まらない。
挨拶のときや話す際にしっかり相手を見据えることがままならない。健常者の場合だと心が浮ついていれば、視線まで影響してしまう。信頼性の判断材料。
目は心の窓といいますよね。自閉症だと意識のピントが目の前の相手に合わせられないから視線まで定まらないんでしょうかね。
本作も完成度は高くて申し分ない出来栄え。
トレッキー向けのB級オタクものでなかった。ミントは、ヒューマニズムやロードムービーにほんと弱い。最後まで目が釘付けでしたよ~~。
またにゃあ。カプラ!!(クリンゴン語のさようなら)。