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ミニマリスト

猫のつぶやき :: 生きてるだけで尊くありがたい

虚無僧願望

虚無僧の姿に身をやつして諸国行脚プラン。
それには尺八を習い、場をもたせる必要がある。
横笛でもいいが、浅めの編笠でないと吹けない。
路傍に立ったまま托鉢するには芸がいるのだ。

地味な僧侶衣装。剃髪してわらじを履いて笛を鳴らす。
どれほどの賽銭、いや浄財をいただけるか。
やってみればすぐに判明するであろう。

もしかしたら三日やればやめられなくなる。
かもしれないが、条例などにより乞食行為は
禁止されてるのでサツのチェックが入る場合もある。

公道で勝手に商売をするには許可がいる。
托鉢というのはあくまで方便。
少額な生活資金の援助を願っているだけ。
名目があれば募金活動としてまかり通る。

御札でもささっと書いてやればなおさらウケる。

なにごとも経験してみなくてはならない。
それにしても虚無僧というネーミングはなかなかだ。
いつから存在してたものかしら。
食うのに困ってるが、やんごとなき事情をかかえてる。
働くかわりに投げ銭を期待してストリートライブ。

東海道あたりではあれば、各家庭をまわる不埒者が
恵みをちょうだいつかまつりに現れるのかもしれない。
一軒ずつしらみつぶしに訪問するのは気がひけるけど。

キャッチセールスみたいなのやテレフォンアポなんかだって
やればやるほど人格低下しちゃうようでコワイ。
ふるわない成績により、ののしられる。罵倒される。
成約結果がすべての世界。

それぐらいで低下するような人格ならば、とっくに低下済み。
面の皮が分厚くなればなにかの踏み台になろう。

虚無僧であれば、威張れるわけじゃないけれど
末端のどこにも属さない仏弟子として通用するような感じ。
世知辛いご時世だもの。
活用できるものはとことん活用すればいい。

「人生は空っぽ」

齢を重ねると人生の容器にいろいろたまる。
たまりすぎて身動き不自由で「断捨離」など流行。
不要なものを整理するのはいい。
だが、そんなに不要なものにあふれてるとしたら
大事なものはどこにもない可能性すらありえる。

これまでは、消費中心の人生だった。
これからどうしよう。
けっこう悩ましい。

「この世は舞台、人はみな役者」シェークスピア

虚無僧とは不釣合な場所に立つ。
まず渋谷クロッシングで尺八レッスン。
最適といえるかどうか。最悪でもかまわない。
からまれてもいいように体は鍛えてある。

忠犬ハチ公前。
かわるがわる人が訪れる。
待ち合わせスポットのせいもあるが、記念写真を撮るひとが多い。
世界一有名なワンコなので、思い出にパチリ。

仲代達也さん主役の映画「ハチ公物語」。
それに「HACHI 約束の犬」はリチャード・ギア主役。
いずれも甲乙つけがたいというかどちらもよかった。
わりかし気づかないが映画のせいで秋田犬の人気が
日本じゃなくイタリアなどの外国で高まったらしい。

上野公園の西郷隆盛像みたく犬を連れていれば
賽銭効果は抜群になるやもしれん。
しかし、虚無僧は隆盛とはちがう。腹も膨らんでおらない。
生臭い政治とは無関係。
イヌをダシにするなんてもってのほか。

それはそうと行き交うひとの群れ。
どっからこんなにわき出すのであろう。
谷底のような地形なのに。

渋谷駅には岡本太郎明日の神話」がある。
大阪万博のシンボル太陽の塔が反転して陰性をおびて
いかにも太郎らしい画像とタイトル。
あそこの前でパフォーマンスしたら、すぐ追い出された。
虚無僧をコバカにしやがって。

まあいい。相手は木っ端野郎。
組織を傘にきせ命令にしたがって生きている。
予定調和であればいいのだ。

定刻通りに電車が到着して定刻通りに発車。

時間に正確であるのが使命。
遅れは許されない。
ゼンマイ仕掛けの時計とは大違い。
秒単位で電車を管理している。
なんともごくろうさまなこった。

腕には電波時計がはめられていて精密に時を刻む。
時間まで中央集権になってしまった。
日本のどこかで寸分違わぬ原子時計のようなマシンが鎮座。
電波により全国に時刻を発信。
時計たちは電波を傍受して時刻を調整するのだ。

そのうち人体にチップが埋め込まれてなにもかも
マシンの指示にしたがって仕事するようになる。
岡本太郎が危惧して嫌がっていた現象。

駅員さんは、組織の一員として与えられた機能をになう。
疑問を有してはならない。
ハチ公のように忠実でなければいけない。
ご主人さまのいうがままに生きれば、ご褒美進呈。
十分なエサがもられて生活安泰。
運がよければ青銅ブロンズになり永久保存。

どうみても太郎よりハチ公が勝る。

約束厳守の犬は日本人そのもの。
なにがなんでも約束が最優先される社会。
個人の都合はわきにおかれる。

尺八は竹なので息つぎはしんどい。
喧騒は気にせずにマイペースで音を出す。
しだいに無心になってくる。

そろそろ休憩して腹ごしらえ。

コンビニ弁当やコンビニ惣菜はとても便利。
しかし、めったなことではコンビニには立ち寄らない。
見た目はわるいが自分の口に入るものは自分で製造。
材料までハンドメイドすれば最高なのだが。

「あのお」
「もし」
「お坊さん」
ちょっとよろしいでしょうか

はい。なんです。

「いつもここで修行されてるの」
禅宗ですか」

こうして托鉢するのは初めてです。
まるで要領がつかめないので、めくらめっぽうに
騒音をまき散らしております。迷惑でしょうね。
あいすみません。

とくべつな宗派を支持しているわけでなく、無印可
無節操な旅の者でございます。

「東京は色んな人種のるつぼ」
「虚無僧とて風景の一部」
「がんばってください」

ありがとうございます。
なにはともあれ声を掛けられるのは嬉しい。
存在を認知された証拠。
ほとんどの人は鼻もひっかけない。

散歩中のワンコにおしっこをかけらるのが関の山。
東京は世界有数の大都会。
なぜだか外人さんがひっきりなしに往来。
かれらはフレンドリーなので気軽に声をかけられる。
道を聞かれてるのか、それとも好奇心なのか。
なにを言ってるのかさっぱり分からない。

修行には、目的や意味や価値などというものが
あると思ってるでしょう。思い違いなんですよ。
そういうものを脱するためにひたすら精進するのである。
具体的な利益を求めていては修行にならない。

なんのためにやるんですか!?。

もうこれでいいというまでやってみなくちゃ分からない。
あらかじめ分かっていれば、やらなくていい。
分からないからやってみるのである。

虚無を敵にしたのは「果てしない物語」のミヒャエル・エンデ
児童ファンタジーなのに虚無を扱った。
たかが子供のお伽話に終わらせない。
獰猛なオオカミの姿をした虚無が執拗に追ってくる。
かかえている現実問題へのモラトリアム。
主人公の少年は問題と対峙するのをさけて宙ぶらりん。
世界は崩壊しかかってどうにかせねばいけない。

逃げれば逃げるほど事態は深刻になる。

なんらかのソリューションに手を染めて
悪化を食い止めなくては人生に憂いを残す。
負け犬として余生をすごすハメになる。

真夜中でも人通りは多い。

ひたすら立ち尽くし、ときおり尺八で存在アピール。
ワラジなので足が冷たい。
服や草鞋がやぶれても修復できるように準備万端。
そろそろ、お世話になっている寺にもどるとするか。

明日はどこを河岸にしよう。
千日やればそうとうな猛者になるはずである。
「千日虚無僧」としてハクがつくわけではないが
すくなくとも石の上にも三年。
そこまでやるつもりは毛頭ないが百日ぐらいは続けたい。

世間の価値をきれいに洗い流して
生きる術を身に付けるのが理想。
なんぼ洗っても汚れる。
汚れては洗うの繰り返し。

尊敬する老師の収入源は托鉢がメイン。
人柄に惚れて何事かを求める者が入ったり出たり。
来るものはこばまず。去るものは追わずの姿勢。
志は清からであろうとなかろうと経済は基本。
いちばん頭の痛い点だとおもう。

大口のパトロンがついているかもしれない。
そうでなれば寺を新たに開くのは難しい。
懐事情はシークレット。

四十にして惑わずといったのは孔子でしたっけ。
最後まで迷うのがオーガニックな脳みその特徴。
どんどん迷って迷って迷い抜かなくちゃ。
完成したらお終いだもの。

 

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