読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ミニマリスト

猫のつぶやき :: 生きてるだけで尊くありがたい

純粋階段

アリスの庭にまぎれこんだらね。
登って降りるだけの階段があったの。

重厚でどっしりしたレンガ造り。製作者のセンスを感じたわ。
耳の長いウサギさんが鎮座していたのはいうまでもない。
階段っていうと一階から二階へ行くためのハシゴみたいなもん
だけど、べつに頂上から外界を見下ろすわけでもなくて
純粋にのぼっておりるだけの丘。

無意味といえば無意味。

家に外付けされて野外から二階に上がることのできる階段は
よくみかけるでしょう。そうではなくて出入口のドアが塞がれてただ階段だけが
残った物件。ときをへて外から出入りする必要が消えて階段を撤去するのが
めんどうなのでそのまま放置されてしまった。

階段ならぬ怪談っぽく見捨てられたわけだ。

当初は役にたってたものの残骸だけのあわれ。

階段であればべつに見栄えの問題でどうってことはないが、
人間のばあいはちょっとやっかい。へたしたら盲腸のように
なんらかの刺激でシクシク痛みださないとも限らない。

アリスの丘に登ってみたらね。

ゆっくり一歩一歩足を上げてのぼり、てっぺんに立つと
なんだか山を征服した気分にみまわれて爽快。
あれはなんでしょうかねえ。

もしも階段が五百段とかあれば登るのに疲れるから
疲れたぶんだけ達成感がうまれてしまう。
太ももに感謝したくなるよねえ。
心臓もよく耐えてくれたありがとう。なんてさ。

登山家の口グセ「ただそこに山があるから登る」って
いうじゃないですか。アレアレ。あの気持ちに近づいた。
ただそこに階段があるから上ってみただけなのに
のぼってみてはじめて気づくものがあった。

なんでもトライしてみるもんですねえ。

機能性だけ追求すれば効率アップして便利。
いいことづくめのようでもなにか物足りない。
「純粋階段」にカラダで教えてもらいました。

頭でグリグリ考えてつくられたものの限界というか。
ただそこに存在してるものに敬意を払わなくちゃいけない。
登山家が山に対して抱く感情がすこし伝わった。

どうです。そろそろ。あっちにします。

ちゃんと用意して待ってた。うふふ。
木枯らし二号のせいで落ち葉がふきだまったでしょう。
せっせとほうきで集めて燃やしてヤキイモにしたんだ。

ホクホクして美味しいからどうぞ。
そんでもってさあ。

当初の目的から解放された純粋物件。
神社仏閣なんかでも信者のための機能を失って
観光目的に衣替えしてるところはあるね。

まさか正々堂々と観光専用とうたうわけにはいかないので
屁理屈はこねていても古風な建物を守るために拝観料を
強制徴収したりして運営。

ちゃっかり儲けて影で甘い汁を吸ってたりね。
宗教法人だから無税。
おこぼれ頂戴したいわあ。

引退後の人生設計を考えれるうえで純粋ブツは
ものすごく参考になる。
超芸術としてネクスト人生をまっとうなんてワクワクしちゃう。
あなたの発想次第で滅びたものを再生できる。

純粋ってオモシロイ。

スタンリー・キューブリック監督の映画「2001年宇宙の旅」。
途中でウトウト寝入ってしまうから最後まで見たことない。

月だかどこかに真っ黒い長方形の墓石みたいな
大型オブジェを発掘する場面があったようにおもう。

たしかモノリスとか名付けられた摩訶不思議物件。

長方形だから自然にできあがったものではない。
なんらかの生命体がなんらかの理由により製作。
それがなんだかあきらかにされない。
製作者はすでに存在してないのだから当然だよね。

あれがもし地球だとしても大騒ぎになる。

モノリス発見のあとに宇宙船に搭載された人工知能コンピュータ。
たしかHALだっけかな。すこしずつ狂いだしてくる。

映画の冒頭。興奮した猿が動物の骨だかを凶器に利用して
仲間をなぐる。振り上げられた骨が空に投げられて宇宙船に変わる。
映画史上に輝く名場面。

機能がまったく不明の製造物って純粋オブジェみたい。

ナスカの地上絵だってどういう目的に描かれたのか。
そばに高い櫓が組んであり塔として上り降り。
敵の侵入を監視する目的から外界を見下ろす役目に降格。
さらに広大な絵を地面に描いて上から眺めれば楽しいことを発見。
いつのまにやら塔はうしなわれ小石をならべた地上絵だけ雨ざらし。

なんのためかといえば、やっぱり観光や宗教かもしれない。
大きなものってそれだけで人を引きつけるからね。
山を模した建造物は実用を超えた力をおよぼす。

非自然物は人間が使うために造られたので
使ってもらうことを待ってる。ひたすら待ってる。
せっかく存在してるのにあまりに古びて使い方不明。

ともすれば。

遭遇した人間の側に問題発生。

念がこもる。念だけがこもる。
出入口を失った状態。
苦しそうだ。
助けをほしがっている。
救出してあげねばおかしくなりそう。

そういうときに出てくるのは何かといえば・・・・
超常現象の類。
わかるひとにはわかる。わからないひとにはわからない。
どうにか供養してやらねば、大変な目にあわされる。

知恵を絞りブツを成仏させてあげる必要が生じる。

 

決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)

決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)