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ミニマリスト

猫のつぶやき :: 生きてるだけで尊くありがたい

虚無僧願望

虚無僧の姿に身をやつして諸国行脚プラン。それには尺八を習い、場をもたせる必要がある。横笛でもいいが、浅めの編笠でないと吹けない。路傍に立ったまま托鉢するには芸がいるのだ。地味な僧侶衣装。剃髪してわらじを履いて笛を鳴らす。どれほどの賽銭、い…

糸杉とゴッホ

一階建てと二階建ての棟が混在した市営住宅。メンテナンスされてないので、住人がいるのは1割程度。住居の一角に数本の糸杉がそびえて人の気配。時間が止まった場所に引き寄せられる。夕暮れなので街灯の明かりが自動点灯。最初は緑色でしだいに白色に変っ…

二等船室の曼荼羅

蛍の光、窓の雪。歌詞はなくてインスタルメンタルが聞こえる。デッキで夜景を望みながら出港。なんとも切ないがすぐ大浴場に向かう。ロッカーに荷物をしまい素っ裸。しめしめ。一番乗り。大きな湯船がふたつ。ゆっくり体を沈める。天国だわい。仙台港発苫小…

温泉アイデンティティー

開いた窓から土壁がのぞいて西日が射してる。となりは蔵なんだろうかねえ。あれってカラス瓜。干からびてる。紅葉した土蔵のツタをながめながら入浴。贅沢。湯船が柔らかい木製で、もうちょい暗めであればいうことない。それにお湯の温度調節。熱い。温泉は…

金庫破り

ちょうどグミの実が熟れて食べごろ。あの酸味はもう二度ともどらない。民家もろとも海の藻屑に化してあとかたない。残されたコンクリート基礎が往時をしのぶ。なんてこった。こんちくしょう。宮城県沖地震の当日、予知というか予兆を感知。早朝のカラスの鳴…

捨てる神あれば拾う神

反応が遅い。しだいに遅くなる。しっかりしろ。目をあけろ。大丈夫か。いつものことだから心配してないけれど。このままの状態で見守るか。どうしよう。あれまあ。口から泡を吐き出してる。ゆすってみる。うんともすんともいわない。下から液体が垂れている…

審判の日

雨降り具合によっては社内にこもるときもあるにはある。朝から晩まで同じ建物で仕事するのに堪えられない。せめて昼間だけは外の空気を吸いたい。他の方々はそんなに気にしないようだ。雪の日に外に出ようとしたら、となりの同僚から「こんな日ぐらい、中で…

入社試験

机の上の履歴書用紙をめくってください。水性ペンか油性ペンのどちらかで記入お願いします。誕生日だけ日付をいれて、あとは分かる範囲で結構です。水性ペンだと筆圧がすくなくてスラスラ書けますよ〜。「あの。スマホ使ってもいいですか」申し訳ない。それ…

天使が家にあらわれた

寝ぼけ眼をこすって確認。頭上に金色の輪っか。背中には白い羽。なんじゃ。どうしてオレの部屋にいるんだ。幻覚を見るなんて、とうとう気がふれてしまった。人形っぽい。丈は50センチ程度。「エンジェルだよ」「そこの人」「聞こえてるかい」んん。しゃべ…

ナスになった女

ナス柄のワンピースが似合う。英語では茄子をエッグプラントというらしい。細長いのや丸いのや大きのや小さいのと色々ある。どちらかといえば薄味で歯ごたえを楽しむ脇役。栄養価はほとんどゼロに近い。いてもいなくとも困らないが愛嬌のせいで起用。野菜界…

ちゃぶ台返し

たまたま仙台駅で元同級生から声を掛けられてアルバイト代が入ったから地下でご飯食べようと誘われて階段を降りた。ボクは専門学校に通っており、かれは宮城県庁で事務の手伝いをしながら公務員をめざしていた。かれの父親は仙台市営バスの運転手。その関係…

ほんとうの自分はどこだ

日本列島を南から北まで縦断していると地図でみるのと異なり広い。ライスとミソスープだと身がもたない。さっき馳走になったばかりなのにもう空腹。今夜の宿を物色せねば。うだうだ迷ってもはじまらないのでランダムに玄関チャイムを鳴らして歩く。まず最初…

世界で一番美しい詩

河原において手持ち無沙汰のときに平らな石を拾って水面スレスレに横投げする水切り。石切りとも呼ぶ。川面を何回ジャンプするか競う。といっても一人でやることが多いからピッチングしてあそぶだけなのだが、やりはじめると自分が納得するか疲れるまで延々…

光の魔術

赤と緑。「点滅して部屋のアクセントにいいね」夜が長くなってくるとひっぱりだして居間を演出。蛍光灯だと光量がありすぎて落ち着かないんだ。細かい作業のときは別だけど、間接照明は重宝する。「だから色んな行灯がおいてあるんだ」「あたしの部屋とは大…

純粋階段

アリスの庭にまぎれこんだらね。登って降りるだけの階段があったの。重厚でどっしりしたレンガ造り。製作者のセンスを感じたわ。耳の長いウサギさんが鎮座していたのはいうまでもない。階段っていうと一階から二階へ行くためのハシゴみたいなもんだけど、べ…

こんにゃく問答

もっと下。その辺。そこそこ。楽になった。ありがとう。背中がむずむずして痒くてかゆくて。乾燥のせいだな。パリパリ。自家製漬物。大根の歯ごたえよし。甘柿もあるから帰りに持っていきなさい。ピッチャーの投球動作。せまってくるタマに視線をそらさずバ…

スニフの焼き芋

ヒューっていう聞き慣れぬ音。路地に出てみればスニフがリヤカーを引いてる。荷台に積んであるのは煙突つきドラム缶。「いいところに来た。ムーミン」「収穫したばかりのサツマイモ。焼いて販売してるから買ってよ」「一個百円」音の正体は煙突から立ち上る…

種をまく人

草むらの葉っぱで生きるグリーンでスリムなキリギリス系。地面で暮らすブラックでずんぐりしたコオロギ系。どちらも周囲にとけこむ保護色。丈夫なのはコロちゃん。10月半ばなのにまだ異性をもとめてがんばる。恒温動物のように体温を一定に維持できないか…

人はパンのみで生きられる

小菊にコスモスにマリーゴールド。半世紀ほどまえのオンボロ長屋の横に老人たち。地べたに座り歓談する秋の夕暮れ。なんだか懐かしい。電話ボックスがあったのでドアを開けてみる。だいぶガタがきてる。両手をつかい力をいれて引っ張る。なかにはクモの巣が…

星の巡礼旅

いつも相手してくれてありがとう。こんなことを誰かに話すのは最初で最後かもね。あなたは聞き上手だからわたしの両親や姉のことはまえに話したわよね。他愛ない世間話じゃなくて家族のことやわたしの過去のことまで隠さずに話した。美術館でアルバイトして…

リラクゼーション・レスポンス

こんにちは。ご機嫌いかがですか。木枯らしにより散らかった落ち葉を拾い集めて手にとって匂いを嗅いだら、ハーブティーのような香りがしました。複数の葉っぱが醸し出すハーモニー。おもわず急須にいれて頂きたくなりました。ダライ・ラマによれば。チベッ…

夢で逢いましょう

いづれも対照的な人間型ロボットの登場。「アンドリュー」ロビン・ウィリアムズ。「ターミネーター」アーノルド・シュワルツネッガー。「A.I.」ハーレイ・ジョセフ・オスメント。「ブレード・ランナー」ダリル・ハンナ。人間になりたかったのや人間の抹殺専…

銀河ステーション

グレー雲の割れ目からあかね色の雲。キラウエア火山の流れた溶岩が海岸まで到達。見渡すかぎり黒ぐろとして地球とはおもえない。足もとが熱いので確認してみれば、すき間は赤く熱せられている。西の様相をながめれば、ハワイ島の光景そっくり。あまりお目に…

フィレンツエの三賢人

なあ。ボッチ。こうして手に握ったノミで岩を削るのがオレの仕事。おまえの仕事は、板に張り付けた麻布に筆で絵の具をぬりたくる。もっと楽な方法を探すつもりでダヴィの奴に相談してみたんだが、あいつはなんて答えたとおもう。ダヴィはぶっ飛んでるから少…

幸福の青い鳥

何によって救われるかなんて神のみぞ知る。無人島に流れ着いて一人ぼっちになりながら懸命にサイバルできたのは、恋人の写真が入るペンダントと羽イラストの宅急便のおかげ。現実の居場所は島の外へにある。「どうしても戻らねば」このまま孤島で魚を捕まえ…